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思いの貯金

もしも「最初で最後」なら、いい思い出として残したい。
そのために、自分としてはかなり無理なプランを立てた。
恋人の望みをできるだけ叶えるような、欲張りなプランを。
そのための準備を複雑な心境で進める中、前日に恋人と衝突した。
あんな激しいやり取りは初めてだったと思う、どうしても自分を抑え切れなかった。

打ち合わせのメールをやり取りする中で、私は何度か「最初で最後かもしれないね」と吐露していた。
だが、やり直す方向に傾いていた恋人にとっては、そして私のネガティブ思考の深さに気がついていなかった恋人にとっては、それは冗談にしか聞こえなかったのかもしれない。
前日の朝、電話で「なんで『最初で最後』なのよ?やーねー(笑)」と言って笑い飛ばされた。

真剣に考えていたことを笑い飛ばされたのが悔しかった。
感情の昂るままに「私が『ノー』という答えを出す可能性だってあるんだよ!」とぶつけた。
「飽くまでも私は『最初で最後』かもしれないと思って行く。いい思い出を作るために行く。でもQが乗り気でないのなら行かない」、そう言い張った。
恋人は「私はエモの笑顔が見たいだけだよ」と言った。



その日の深夜、もう午前2時をとっくに過ぎたころ恋人からメールが届いた。
数時間後にはもう出発だというのに、遅くまでかかって心のこもった長いメールを書いてくれた。
そこにはこの問題を抱え始めてからの心の動き、そして今どう思っているのかが丁寧に、丁寧に綴られていた。

エモの私に対する愛情は信じられる、涙が出るくらい愛されていると感じる。
ただ、私はクールでも寛大でもない「ふつう」の人なのだということを忘れないで欲しい。
「ふつう」の人だから、「ふつう」な感情を持っている。
決して「すごい」人ではないのだから、あれもこれも物分りがいいわけじゃない。

私が怖いのは、「わかってもらえない」ことによる私の徹底的なあきらめや、徒労感から来る心の距離。
エモが私を「すごい人」に仕立て上げないなら…
私がクールでも寛大でもない「ふつうの人」でもいいのなら…
私たちはまた何かを分かち合って、育んでいけると思うけれど、どうだろう?


概ねこんなことが最後に綴られていた。
真夜中に読んで、涙が出た。
やっとはっきり見えてきた、恋人の望むものが。
今まで何度も何度も恋人はこれを訴えかけてきていた、それなのに私は気付かなかったのだ。

答えは見つかった、だがそれでも私の中で「最初で最後かも」という気持ちは消えなかった。
恋人は「ふつう」の人、決して物分りのいいスーパーウーマンではない、それは分かった。
じゃあ私はといえばどうなのだろう。
もちろん愛情はまだある、好きだという気持ちに変わりはない。
だが、今ここで分かったことが上辺だけにならないか、「喉元過ぎれば」また同じことを繰り返してしまわないか、そこに自信はなかったし、恋人の申し出を受け止めるだけの勇気はなかった。
私は「ふつう」の人にすらなり得ない人間だと思った。

結局朝までに結論は出せなかった。
山へ行ったら何かが見つかるだろうか、自分を変えられる自信と勇気の糧になるようなものが。
期待はあっても確証はない。
やはり「最後」かもしれない、それならいい思い出作りに専念しよう、そう思った。



楽しかった、本当に楽しかった。
道に迷ったり、予想外に時間がかかったり、かなりデンジェラスなコースだったりと、初心者同士にとってはやや無謀な旅だったかもしれないが、大袈裟に言えば、今ここでお互いを助けられるのはお互いだけ、そんな連帯感を感じることができた。
恋人が見たいと言っていた私の笑顔、それも無心になって山登りをしている最中に幾度も見せることができたと思う。
でも、自信と勇気の糧になりそうなものを手に入れられたかというと、そうではないように思えた。
私はただただ「いい思い出」が作れたこと、それに感謝した。

山を下りて日帰り温泉に浸かりながら、それでもまだ迷っていた、続けるのか、終わりにするのか。
結局核心的なものを掴めなかった結果として答えは決まっているのだろうけれど、私はそれを口にする潔さも持ち合わせていなかった、つくづくダメ人間…。

ひとり先に移った露天風呂で真っ暗な夜空を見上げながら、「ああ、そういえば恋人は『夜間飛行』という言葉が好きだって言ってたなあ」などと思い出していた。
後から恋人が入ってきた、他には誰もいない。

「今日はいい思い出が作れた。ありがとう」

汗を拭うフリをして涙を拭いながら、あとはおそらく察してくれるだろうと思った。
そこからは、私はただ恋人の話す言葉に頷くだけしかできなかった。

完璧な人なんてどこにもいない。
常々言っているように、私は、そういう「人」のダークサイドにこそ魅力があると思っている。
欠点を直す努力を放棄するのでないのなら、可能性はゼロじゃない。
今までにいいエモの思い出と悪いエモの思い出がある。
けれど、いいエモの思い出の貯金がたっぷりあるから、これから悪いエモに出会っても十分補っていける。
思えばアナタは私の前でいつも笑顔だった。
その笑顔を、心から笑っているその笑顔を、これからも見ていたい。
L友たちが口々に言う「Qさんと一緒だとエモリンはデレデレになる」と謂われるその笑顔をもっともっと。


救われた気がした。
ストンと腑に落ちたというのではない、やんわりと何かに包まれたような気がした。



山から戻って3日間、この3編の記事を書くために半月の出来事を何度も何度も振り返った。
私には学習能力が欠けているから、何かを見つけるには人一倍時間もかかるし、筆も遅い。
そして、今はまだ過去の自分を見つめ直すことしかできないから、人の心を先読みすることが難しい。
それでも、恋人と一緒ならば前へ進めるような気がする。
「ちょっとだけ大らかなふつうの人」と「ノロマだけどまあまあふつうの人」として、どこまで歩いていけるか、試してみようと思っている。

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また忘れてしまわないように、また「喉元過ぎれば」にならないように、自分のための備忘録としてここに書き残します。

| ふたりのこと | 11:58 | comments:20 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

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| | 2010/12/01 15:55 | URI |

Re

やっぱり、なんかあったなーー。
そうだよ、エモリンは、Qさんと一緒にいると目じりがたれまくりなのだ。
人間と人間。
スーパーマンは、相手が困ったときにだけ自分がなるんだって思ってる。
思いの貯金があってよかったね。

| ふらら | 2010/12/01 17:52 | URI | ≫ EDIT

12月01日 15:55 の鍵コメさま

そんなオーラ出てた!?
そもそもネットでオーラが見えるんでしょうか(笑)?
いやいや、ご心配かけました(^^;)。
なんとか持ち堪えたから、また遊んでねー♪

| エモ | 2010/12/02 18:46 | URI | ≫ EDIT

ふららちゃん

今回つくづくL友のありがたさを感じたよ。
> エモリンは、Qさんと一緒にいると目じりがたれまくりなのだ。
ふららちゃんやコモちゃんたちがそう言ってくれる度に、
Qはとっても喜んでいたんだ。
そのことがQには忘れられなかったみたい。
本当にみんなのお蔭です、足を向けて寝られません(^^;)。

| エモ | 2010/12/02 18:54 | URI | ≫ EDIT

「エモリンは、Qさんと一緒にいると目じりがたれまくり」、きっと鼻の下も伸びてるかも・・・
目に浮かびます。
次回は是非お二人揃っている所をじっくりと拝見したいです。笑!

| CC | 2010/12/02 22:09 | URI |

思い起こせば・・・エモさんに初めて会った夜
今では笑い話になった「リフト事件」のことをさんざん聞いてもらった。
あの時の貸しがやっと返せるってもんです。
だから安心して足向けて寝てくださいなi-236

| コモ | 2010/12/03 01:25 | URI | ≫ EDIT

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| | 2010/12/04 08:24 | URI |

CCさま

> きっと鼻の下も伸びてるかも・・・
ああ、もしかしたらそうなってるかもしれませんねえ。
いや、かなりの確率でそうかも(^^;)。
是非一度、直接確かめていただきたいです(笑)。

| エモ | 2010/12/04 20:27 | URI | ≫ EDIT

コモちゃん

そうそう!あの『2丁目の夜』、その話を聞いたね。
あの「リフト事件」も今は笑い話か…。
今回の私たちの話もいずれ笑い話になるかな?
なるよね、きっと(^^;)。
ホントにみんなに助けられました、ありがとう、ありがとう。

| エモ | 2010/12/04 20:32 | URI | ≫ EDIT

12月04日 08:24 の鍵コメさま

そんな風に言っていただけて嬉しいです。
お互い真正面から向き合うことは、ある意味自分の欠点を目の前に突きつけられることでもあり、とてもエネルギーと勇気の要ることでした。
そこから逃げなかった恋人、逃げそうになった私を引き戻してくれた恋人には、本当に感謝しています。
鍵コメさまの大好きな山、なかなか難しいヒントでしたが、どこだか分かりましたよ!
いつか行ってみたいですね(^^)。

| エモ | 2010/12/04 20:55 | URI | ≫ EDIT

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| | 2010/12/05 01:14 | URI |

Re

> そこから逃げなかった恋人、逃げそうになった私を引き戻してくれた恋人には、…
「逃げそうになった私を引き戻した」のは エモさんあなたですよ。
自身を持ってね。
山の名前分かりましたか。 温泉もいい~んですよ。
ぜひ、登ってほしいなぁ。
私も、富士山に1度は登ってみたいです。

| スルメ | 2010/12/05 09:00 | URI |

Re

噂に聞く『目じり下がりまくりのエモりん』
見てみたいもんだな♪ww

| 清志 | 2010/12/06 10:20 | URI |

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| | 2010/12/06 19:35 | URI |

12月05日 01:14 の鍵コメさま

心のこもったコメント、どうもありがとうございます。
読んでいて、恋人と出会う前の私に似ているなあと思いました。
私がブログを始めた理由の一つに、同じような境遇、同じような思いの方に、存在を知ってもらいたいというのがあります。
私自身が、他の方々のブログに出会って励まされ、勇気づけられた過去があるからです。
少しでもお役に立てたのなら本望です。
これからも読んで大いに笑ってやってください(笑)。

| エモ | 2010/12/07 17:24 | URI | ≫ EDIT

スルメさま

そうでしょうか?
自分自身では、かな~り流された人生だと思っているのですが、ハハハ(^^;)。
例の山はかなり手強そうですね。
でも温泉付なら頑張る甲斐もあるってもんです(笑)。
富士山も一度は登りたいですよね!

| エモ | 2010/12/07 17:27 | URI | ≫ EDIT

清兄

清兄にそう言っていただけたこと、私にはものすごく心強いです、ホントに。
いつか見てもらいたいっ!
また「別人だよー」って言われるかしら(笑)。

| エモ | 2010/12/07 17:30 | URI | ≫ EDIT

12月06日 19:35 の鍵コメさま

> いくら好き同士でも言葉にしないと分からないことがたくさんあるし。
そうだね、気持ちを伝えるって大事だよね。
でも、それを受け取るアンテナも常に磨いていないといけないんだなって思ったよ、難しいけどね(^^;)。
応援ありがとう!!

| エモ | 2010/12/07 17:39 | URI | ≫ EDIT

先日はおもいがけず再会できて嬉しかったです。
前回、おふたりのお名前を聞きそびれたことをずっと後悔してたので、すごい偶然にびっくりしました。
そして…
えもさんの日記に、かつての、ほんの数年前の自分たちを思い出しました。
既視感にとらわれるほど似たやり取りを、自分たちもしたなあ。。
好きな限り、何度でもやり直せる。
しょっちゅう別れの危機に瀕していた自分たちの、あの頃の命綱だった言葉です。

| オノ | 2011/02/11 10:33 | URI |

オノさま

こちらこそお会いできて嬉しかったです!
まさかあの場所で再会できるとは、ホントに驚きました、世間って案外狭いですねえ(笑)。
我々の事情が事情だけに、昨年アソコで知り合った方々と深くお知り合いになれずにいたことが、実は自分の中でも少々後悔する部分ではありました。
再会したとき快く受け入れて下さったこと、本当に感謝しています。
既視感ありますか(^^;)?
みんな通る道なのかな(笑)。
> 好きな限り、何度でもやり直せる。
「命綱」と表現されるその言葉、今の私にとってもものすごく心強い味方になってくれました、ありがとうございます。
いずれ恋人と共に再度お目にかかりたいと思っています。
そのときはまたたくさんお喋りしてくださいね。

| エモ | 2011/02/13 14:25 | URI | ≫ EDIT















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